この「1800NAクラス」は、VXR、VXS、VX Cruiser HO、FX HOで競われるカテゴリーである。「VXR」「VXS」「VX Cruiser HO」は、その俊敏な動きから「コンパクトロケット」と呼ばれているほど、軽やかに動いてくれる機種である。
上位陣の最速タイムは、19秒台の鈴木克昌選手を筆頭に、21秒台が2人と、接戦であった。
鈴木選手の美しいフォーム。ジェットを傾けず、平らにして走行する。
鈴木選手は、独特のコースのライン取りをする。ブイに対して、真っ直ぐに、ほぼ直線的に向かって来る。
ブイの直前でノーズを下げ、ノーズを支点にスピンさせる感じで、最短距離で曲がる。このライディングで、好タイムを叩き出す。
鈴木選手曰く「腰を中心軸にして、平らにスピンするような感覚で曲がっている」という。彼独特のコース取りは、練習の賜物だと言う。試行錯誤を繰り返し、パーツもそのライディングを可能にできるように変更しているという。
優勝した鈴木選手。ヤマハS-1スラロームグランプリから数えて、2013年から8連覇！ これだけ強いと、「彼に勝てる選手はいるのか？」と思う。
コースのライン取りの探求に妥協のない武田選手。
直線的にブイに突っ込むか、あえて膨らんでブイの脱出時のスピードを上げていくかは、その日の水面状況で変わるという。
この日もラインの研究のため、走行ラインをビデオで録画していた。日ごろの練習と、こういう研究が、タイムを短縮のために欠かせない。
柔らかい体の使い方で、しなやかに走る。
スラローム上級者は、ブイを掠めるように走る。
昨年のヤマハS-1スラロームグランプリでも3位だった帯刀選手。昨年のタイムは21秒95だったので、今年はコンマ17秒短縮している。
丁寧かつ、器用にブイをまわっていく。
中村選手は、マシンを操る能力に長けている。どのマシンに乗っても上手い。
今回、オンブイ（ブイにジェットが乗ってしまうぺナルティ）を2回してしまい、+20秒の加算を受けた。それがなければ、2位のタイムであった。
帯刀勇武選手は、今回、3位となった帯刀秀嗣選手のご子息である。親子で参加。
パワフルな、若者らしいライディング。
父親がS-1で走っている姿を見て、自分も参戦を始めたという。それだけでも好感が持てる。親子で表彰台も夢ではない。
左から、2位の武田克己選手、中央は優勝した鈴木克昌選手、右は3位の帯刀秀嗣選手。
