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2020 SEA-DOO(シードゥ)「GTX 170」試乗インプレッション  ジェットスキー(水上バイク)

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「GTX 170」試乗インプレッション

2020年SEA-DOO(シードゥ)ニューモデル「GTX 170」。
「GTX 170」は非常に良くできたモデルである。乗ると、船体が軽く感じる。そして自然吸気(NA)エンジンなので、燃費が良い。船体サイズは、フラッグシップの「GTX LIMITED 300」と同じで、安定感も抜群。フラットな水面はもちろんのこと、波のあるラフウォーターでも、楽に取り回しができ、軽快に走れる。

GTX 170に乗って最初に感じることは、「これで十分」である。船体も軽く感じ、パワーも問題ない。シートに跨ると、GTX LIMITED 300と同レベルの高級感が味わえるのだから、超お買い得モデルだと思った。

過去に登場したPWCの中で、最も高速走行時の直進安定性に優れた船体だと思った。

「GTX 170」の機種についての詳細記事は、徹底分析 「GTX 170」2020年 SEA-DOOニューモデル」

世界最強。圧倒的な直進安定性を誇る、低重心な船体「ST3 HULL」

GTX 170は、「RXT-X 300」と同じ「ST3 HULL」を採用している。横幅がワイドになり、重心が低く、改良された船体は、アクセル全開で直進を走っていても、横揺れを自動修正してくれる。
安定性が高いので、停止中やアイドリング速度でのんびりするときも、桟橋で乗り降りするときも快適である。

GTX 170の乾燥重量は「352kg」、RXT-X 300の乾燥重量は「376kg」である。この24kgの差が、ライディング時に大きな軽量感と安心感を与えてくれるのだ。

170馬力にアップした、高性能ツーリングモデル

GTX 170は、「Rotax Engine 1630 ACE-170(NA)」を搭載した自然吸気エンジンなので燃費も良く、ロングツーリングにも最適なモデルである。装備面では、フラッグシップと変わらぬ豪華なラグジュアリーさを備えている。
モデルチェンジ前の2019年モデル「GTX 155」から馬力を170馬力にアップし、名称も「GTX 170」に変更。もともと燃費の良さに定評があったが、ガソリンタンク容量が10リットル増えて、70リットルになったことで、1日中、無給油で遊べるようになった。この10リットルの差が、ライダーに対して、大きな精神的安心感をもたらしてくれる。

さらに、LinQ(リンク)アタッチメントシステムにより、ガソリンタンクを装着することも可能となっている。便利な一体型の取り付けポイントがリアデッキに2カ所あり、燃料缶以外にも、バッグ、クーラーボックスなどを取り付けることができる。

安定性が良く、船体が軽く感じられる。Gの負担が減るので、操船が圧倒的に楽なのだ。

「RXT-X 300」と同じ「ST3 HULL」船体に、自然吸気エンジン搭載。コーナーリングも楽にできる。

Bluetoothオーディオ システム

業界初の完全一体型防水オーディオシステム。完全防水のスマホ収納ボックスを完備している。オーディオの有無は選択可能。オーディオ付きのモデルは、ナシに比べて9万円弱高くなる。
後付けも可能だが、その分割高になる。誰かと一緒に行く予定があるなら、最初からオーディオ付きを購入しておいた方がいいかもしれない。

大自然の中で、風の音と交じり合う、お気に入りのサウンドを聞きながら低速で走る。至福のひととき。

誰もいない砂浜で、気の合う仲間と好きな音楽。これ以上の幸せはそうそうないだろう。

「GTX 170」の課題

「GTX LIMITED 300」や「RXT-X 300」と乗り比べをするな!

「GTX 170」だけに乗っていたら、何の文句もないマシンだ。褒めることしかない。疲れないし、乗り心地もすごく良い。
しかし、当然のことながら「GTX LIMITED 300」や「RXT-X 300」といった、300馬力でスーパーチャージャーを搭載したハイパワーなフラッグシップモデルと乗り比べると、その違いに愕然とすることになる。

GTX 170から、300馬力のフラッグシップに乗り換えた瞬間、それまでGTX 170で「良い」と感じていた「軽さ」や「軽快感」という褒められる部分が、全て消え失せてしまうのだ。

RXT-X 300に乗ると、何ともいえない「心地よい高級な重厚感」に包まれる。RXT-X 300の乾燥重量はGTX 170よりも24kg重い376kgだが、決して「重い、ダルい」といった感覚はない。むしろ好感度が増す重量感だ。最新の高性能エンジンや電子デバイスが搭載されていると感じるリッチな重さである。いかにも「水上のスーパーカー」だ。
超軽量なドライカーボンの車体に、BIGサイズのエンジンを搭載し、いかにも「高額なクルマに乗っているんだぞ」といった高揚感に溢れているのが「RXT-X 300」というモデルだ。しっかりと水面を捉えて走る感覚が高級感にも繋がり、安心感と満足感が増していく。

そう感じた瞬間、「GTX 170」のファーストインパクト、「軽さ」に対する好感度が逆転し、「安っぽい乗り味」に思えてしまった。それまで何の不満もなかったGTX 170が、「安いんだから仕方がない……」と、ネガティブな印象に変わってしまったのが不思議だった。

しかし、コストパフォーマンスを含めて考えれば「GTX 170」が超優秀なモデルであることは間違いない。最上位機種の「GTX LIMITED 300」の値段が2,460,000万円、サウンドシステムの装備されていない「GTX 170」が1,819,000円。その差は641,000円だ。家族でのんびりと楽しみたいのか、仲間と最高速競争に興じたいのか……。どんな遊び方を重視するかによって、この金額が妥当かそうでないかが変わってくる。



「GTX 170」スペック

全長 3,451mm
全幅 1,255mm
全高 1,138mm
エンジン Rotax Engine 1630 ACE-170(NA)
最大馬力 170hp
排気量 1,630cc
乾燥重量 352kg
燃料容量 70ℓ
カラー Beach Blue Metallic & Lava Grey
定員 3名
価格 1,775,000円(サウンドシステム無)
1,867,000円(サウンドシステム有)

「GTX 170」の機種についての詳細記事は「徹底分析 「GTX 170」2020年 SEA-DOOニューモデル」をご覧ください

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