この記事は、これから購入しようと思っている人に、「どこで買えるのか?どこで買うのが良いのか」水上バイク(以下、ジェットスキー)を買う方法です。
初めてジェットスキーを購入しようと思って、どこで買おうか悩んでいる人のために、「リスク」が低い順に並べました。トラブルが起きたとき、一番困らないのが、「【1】 ジェットスキー専門店で買う」です。番号が大きくなるにつれて、購入後のリスクが高くなります。最もリスクが高いのが「インターネットのオークションで購入する」です。その理由を、順に説明していきます。
なぜ、ヤマハ、カワサキ、BRPの各メーカーには「正規販売店(ディーラー)」があるのか、ということです。メーカーの正規販売店は、最低でも1年に1回はメーカー主催の技術講習会に行きます。そこで、最新の知識と技術を身に付けています。
また、メーカーと直に繋がっているので、何かあったときにメーカーと直接交渉をしてくれたりと、安心感があります。他にも、「メーカーリコール」があった場合、「重大リコール」は、購入したユーザーに直接、連絡が行きますが、重大リコールではないものは、各ディーラーで「直してほしい」と言われます。そういった情報も、基本的には正規販売店にしかありません。ちょっとした故障でも放っておくと重大故障になる可能性がありますが、それを未然に防げるのは、正規のディーラーで買った場合です。
ただし、ヤマハ、カワサキ、シードゥの3メーカー全ての正規販売店(ディーラー)になっているショップは、全国でも少ないです。1メーカーか、2メーカーを扱っているところもあれば、例えば、ヤマハだけを専門の扱っている専売店も数多くあります。
本誌がいう「ジェットスキー専門店」とは、メーカーの正規ディーラーだけでなく、十分な知識と経験を有し、日々、ユーザーのジェットライフを”誠心誠意”支えているショップのことを指します。ワールドジェットスポーツマガジンの紙面に掲載されているショップを、本誌は信頼しております。店の大きさや規模などとは関係ありません。信頼できる人かどうかが重要なんです。
ジェットスキー専門店を選ぶときは、「自分がジェットスキーに乗る場所(ゲレンデ)の近く」か、「自分でジェットスキーの修理に持っていける範囲」にあるショップにしましょう。何か困ったことがあったときに、すぐに持っていけない場所で購入すると、何かと不便です。
ジェットスキーに関する「深い知識と経験」を身につけている。遊び方や、ジェットスキーに乗れる場所を教えてくれる。ジェットスキーの取り扱い方法を教えてくれる。購入後のアフターケアをしてくれる。
今回紹介している4つの買い方のなかで、一番、定価からの値引きが少ない。購入してくれたお客さんの面倒を、キチンとみるための適正利益が含まれているから、驚くような安さにはできません。
最近よく聞くのが、車やバイクを売っている本業の片手間で、ジェットスキーを扱っている店の話。もしくは、ジェットスキーが豪華ヨットやクルーザーのオマケとして付けられているという話です。「儲かる」という理由だけで片手間にやっているので、ジェットスキーの修理もしたことがなければ、取り扱い方法も知らないというお店もあります。
そういったお店は、ユーザーに取り扱い方法などは教えてくれません。自分自身が楽しいジェットライフを知らない人から買うと、マシンは買えても「楽しみ方」を知ることができないのです。
ジェットスキーの取り扱いに精通し、修理もしてくれるお店は「片手間」でジェットスキーを売ったりはしません。
ジェットスキーは、カメラや家電製品と違って、「どこで買っても同じ」ではありません。取り扱い方法、遊び方、水上、陸上のさまざまな環境が整って、初めて「楽しいジェットスキー遊び」ができるのです。趣味の世界で納得できないお金が掛かるのは、ストレスが溜まります。知らないと損をすることが多い遊びです。
車を買ったら、定価の半額以下でジェットスキーが買えたりする。安い理由は、ジェットスキーの値引き分が、バイクや車の代金に含まれていることが多い。
修理やメンテナンスの技術を持っていない可能性がある。あとあとの面倒を見てくれるか分からない。
ジェットショップで買うよりも安く買える。友達に取り扱い方法や乗り方を教えてもらえる。
マシントラブルがあったときに、責任のなすりあいになる可能性がある。
例えば、「いつもこの人にジェットスキーに連れて行ってもらっていて、自分もいつかジェットスキーを買いたいと思っている」というとき、その人から「俺のジェットを買わないか」と提案されて買うケース。そこで1つ注意点があります。何かトラブルがあった場合に、修理をしてくれるジェットショップをきちんと引き継いでもらいましょう。
2人で友人が購入した店に行き、「自分のジェットを彼に売るけれど、面倒を見て」とお願いするのです。本来なら、「売り主の友人」が”店”に売って「中古艇として店から買う」の本筋ですが、それだと値段が上がってしまう。2人ともが、店側に、今度、「新艇を買う時はキチンとお願いする」と言えば大抵の場合は面倒を見てくれるはずだ。売る友達と、同じように「お店」に扱ってもらえるように精神誠意お願いするコトをお勧めする。但し、約束はキチンと守らないと、いい加減な客は「店からも大事にされない」ということを肝に銘じておきましょう。
何かジェットスキーに不具合があったとき、修理に持っていく場所に困らないようにしましょう。その友人が購入したジェットショップを交えて、「今後、自分の後を継いで面倒を見てください」と了解を得ていれば安心です。
何度も言うが、本来なら、一度、その友人がジェットショップに売った後で、そのショップから購入するのがベストですが、それでは値段が上がってしまう。だったら、筋を通して事前にショップと話をしておくことが、とても重要。個人売買でのトラブルの対処方法は利害関係のない”店”を絡めることなのです。利害で友人を失くしては意味がないですから。
値段が安い。
初心者がインターネットオークションで買うのは、デメリットしかありません。
確かに、値段は安いかもしれませんが、「安いには安いなりの理由」があります。
今のご時世、ジェットスキーの本体だけなら、インターネットの通販やオークションでも購入することができます。どこで乗るかも、乗り方も分らない、洗い方も分らない。ジェットスキーだけ手に入れてしまう可能性もあります。これでは、とてもまともに維持などできるはずもありません。
あなたがベテランのジェット乗りで、自分で全部直せる、もしくは直してもらうツテがあるなら、新艇だろうと中古艇だろうと、どこで、どんな状態のジェットスキーを買ってもいいです。リスクを承知したうえで、安い商品を買っているのですから。
ネットオークションで買う最大の危険性は「壊れる可能性がある。または、最初から壊れているかもしれない」こと。
個人でオークションに出品する場合、「ジェットショップで下取りしてもらおうと思って持っていったが、値段の折り合いがつかなかった」というケースがよくあります。もしくは、最初から不具合があることを分かっていて、ジェットショップでは高く下取りをしてもらえないから、ノークレームノーリターンのネットオークションで、高く売ってしまおうというものです。
「ジェットスキー」は、水の上を走る乗り物です。だから、陸上でエンジンがかかっても、水の上で走らせてあげない限り、本当に走るかどうか分かりません。
陸上でエンジンをかけただけで「調子がいいかどうか」なんて、プロでも分かりません。素人ならなおのこと、粗悪品をつかまされる可能性が、ネットはたっぷりあります。インターネットの世界は「玉石混交」。よほどの目利きか、ベテランでない限り、手を出さないのが得策です。
鈴木雄生氏(スズキマリン店長)
〒293-0021 千葉県富津市富津2401-315
Tel.0439-87-8455
URL:https://suzukimarinejet.com/
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