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中田正樹コラム 1「え? 10艇!? ジェットスキーワールドカップ編」Chuta's Jet Attitude

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ジェットスキーワールドカップはいつも大変……

12月にタイで行われた「ジェットスキーワールドカップ」。今大会も、ちゅーた先生はタイチームのメカニックとして呼ばれていました。10月のワールドファイナルが終わってすぐ、チームオーナーから告げられた「衝撃の言葉」とは……!?

世界を股にかけて活躍するメカニック・ちゅーた先生の奮闘記。今回は、10月のワールドファイナルから、タイに招請されるまでに何が起きたのか? です。

始まる前から、雲行きが怪しい……

「ワールドカップは、タイ人ライダー2人しか見ないからね……」と、チームオーナーに伝えたのは8月のこと。しかし、怪しい雲行きはハバスで行われたワールドファイナルのときから始まっていた~。

レース前、ボディビーチでテストをしたとき、たまたまダスティン・ファージング一家が横でテストをしていた。俺は最初、誰がテストをしているか知らなかった。すると、いきなり後方から声がする。
「hey! ちゅ~とぅるうあ~!!」。
巻き舌で。誰か、アメリカ人が俺を呼んでいる!?
振り返ると、入れ墨だらけのひょろっとした男……。ファージングだった。

昔、USのカワサキファクトリーで働いていたころ、ファージングはチームライダーだったので顔は知っているが、そんなに仲が良いわけではない~。そのころのファクトリー内での私の立場は「下っ端」だったからねぇ~(笑)。
なのに、妙に親しげに話しかけてくる!? 挙句に、親父さんに声をかけ、「親父! チュータだよ!」と、挨拶するように言っている~。

何か妙だ?? そのままファージングが話し始める。
「マシンの調子はよさそうだな~。この船体は量産して売りに出すんだろ? 俺と息子分、2台頼みたいんだけど買えるかな?」。
あっ! そういうことね~。そこが目的なんだ。私は答えた。「多分、販売すると思うけど、詳しいことはチームオーナーに聞いて」と。「レースが終わったら連絡するよ。そのときには頼む。お前がいたら大丈夫だから」と、言っていた。

ダスティン・ファージングの実父でメカニックのフィル・ファージング氏。

2Monster&3Thaikick

おいおい! メカニックは1人しかいないんだぞ??

そして、11月にチームオーナーから連絡が来る。
「チュウタ、早く来てくれ!」
「なんで?」
「いいから早くぅ~」(笑)
蓋を開けると、大変なことになっていた~!!!!

オーナーが、もじもじしながら言う。
「スポーツGPクラス艇を新造で6艇、スパーククラス艇を1艇新造して。それから、ワールドファイナル艇、スパークとスポーツ艇をリビルト、新規開発でスポーツ艇を2艇新造する」だって!?
は? 10艇超えてるやん!?

しかもライダーは、「アメリカン2大モンスター“マック(クリス・マックルゲージ)”と“ファージング”」。それと、怪物前のファージングの息子……。
タイライダーは、ワールドファイナルチャンプ「セトゥラ」&以前、スポーツクラスのチャンピオンになった「デューク」。そして、初参戦の「エンジン」の計5人。

タイライダーの3人はともかく、American Monsterたちは犬猿の仲。チーム内で、仲良くいくわけがない~。
まあ、もう注文を取ってしまっているんだからやるしかないが、後半が徹夜になるのが目に見えていた~。
「あいつが付けているなら俺も」「エンジンが違う」「部品が違う」と、クレーム多発に違いないので大変だわなぁ……。

アメリカン2大モンスター その1。クリス・マックルゲージ(通称マック)。抱いているのは愛息。世界的なトップライダーも、息子の前ではパパの顔。

アメリカン2大モンスター その2。ダスティン・ファージング(写真右)とちゅうた先生(左)。マックとファージングは犬猿の仲だけに、今からいろいろ心配……。

まだモンスターではないファージングの息子、デヴン・ファージング(写真左)。レース前、父親のダスティン・ファージングから叱咤激励されている。

作るマシンは多いのに、メカニックが圧倒的に足りない!?

ということで、すべてのマシンをベース艇として、全く同じセットアップで製作することに。これでも十二分に戦闘能力がある艇だが、そこから各ライダーのメカニックが、ライダーに合わせたセットアップに仕上げていくという方向で決定。
しかし、以前常駐していたタイ人のメインメカニックがやめてしまった。船体製作は、「学校の器用な用務員さん」的なタイ人がオーナー会社にいたので、ほぼジェット専用の手伝いに来てもらった。
あと、ラオスから来た全くの素人たちと、普段は本社で錬金作業をしている従業員数人が、臨時で手伝いをしている。何とも即席な陣営であ~る。がははは、不安不安~。

皆で手分けをしながら作業は進み、次第にテストをする艇が増えてくる。船体製作中にひとつ心配になっている部分があった。ライドプレートを留める船体側ベースネジ穴が、非常に浅かったこと……。この心配が、現実になるのだ~。(次回に続く)

エンジンを降ろされるのを待っている船体たち。

一体、何台&何機あるんだろう?(笑笑)

終わることのないエンジン組み。

Turboざんまい?

レース艇製作中の食事事情です~

Shopに屋台が出張で来てくれる。出張料は500円程度+オーダー数らしい。

1杯120円ほど。

昼間には、皆に麺を作って振る舞う~(冗談だけど)。

ドリンク屋台も来ます。

2 ちゅうた先生、スタントマンになる!? コチラをクリック
3 いよいよレース本番……のはずが…… コチラをクリック
4 チーム内でまさかの衝突……!? コチラをクリック
5 いろいろあった「ジェットスキーワールドカップ」も無事に終了 コチラをクリック

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