世界を股にかけて活躍するメカニック・ちゅーた先生の「ジェットスキーワールドカップ」奮闘記です。前回は、午前中に行われたMOTO 3のレースでの出来事でした。マックのマシンが壊れたり、衝突事故があったり……。
今回は、最終レースとなるMOTO 4のです。2019年を締めくくるレースの結果はどうだったのでしょうか!?
昨日(土曜日)のMOTO 1では18台いた艇が、MOTO 4では10台にまで激減していた。ファージングは、4ヒートともイングリットスタートをチョイス。よほどコーナリングに自信があるんでしょう。アウトグリットには、マックとセトゥラがスタンバイする。
そしてスタート。スタートが上手いファージングは、やはりホールショットを獲得。後続には、マックではなく昨年のタイトルホルダー、クリスチャン・デイリー、そしてブラスターに乗るスカレットなどに続いてセトゥラがやってくる。 周回を重ねるごとに、セトゥラは順位を上げてきた。
5周目ぐらいから、ファージングのマシンの調子がおかしくなってきた。エンジンが回りきっていないような感じだ。
2位に上がってきたセトゥラが、ファージングの背後に迫ってくる。バックストレート後のチョイスコース、スラロームセクションで猛追するセトゥラだが、ファージングの巧みなコーナーワークには追い付けない。
結局、ファージングが1位、セトゥラが2位でゴールした。マックは3周目にマシン不調になり、レース途中で帰ってきてしまった……。
総合順位は、ダントツの安定したポイントを獲得したファージングがチャンピオンを獲得。順位のバラつきはあったものの、MOTO 1でトップ、MOTO 3で2位だったマックが総合2位。衝突によりMOTO 3のノーポイントが響いたが、常にトップ3で走り切ったセトゥラが3位と、上位をフリーダムレーシングで独占できたのは、まぁ~結果としては上出来であります。
今回のような最悪のチーム状態でも、この位置に入れたことはチームの皆がそれぞれの役割を理解し、頑張ってくれたおかげですね~。
あっぱれ。あっぱれ! がっはっはー。
もう来年はこんな状態になったら、メカニックは引き受けない~!!(笑)
中田正樹(なかだ・まさき)
【Profile】
元JJSFフリースタイル全日本チャンピオン。クリス・マックルゲージのメカニックを務め、2004年、2006年と、ワールドファイナルでのマックルゲージの優勝に大きく貢献した。2007年までアメリカのマックレーシングに在籍。現在は、フリーのコンストラクターとして、日本を拠点に世界中を飛び回る日々を送っている。ニックネームは「ちゅうた」、「ちゅーやん」。
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