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アリゾナの荒野で、世界最速の戦いが行われた 2019年 ワールドファイナル ジェットスキー(水上バイク)のメジャーレース

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Champion Made Here

毎年10月第1週目に、アメリカ、アリゾナ州のレイクハバスで行われるワールドファイナル。この大会に、20年以上、欠かさず取材に出かけている。理由は、世界最強のライダーがこの場所から生まれるからだ。


2019年の世界最速を決める戦い

去る2019年10月5日(土)~13日(日)の9日間、タイ航空がメインスポンサーとなった「2019年ワールドファイナル」が開催された。世界中から、アリゾナの荒野を目指してライダーたちが集まってくるのは、「世界ナンバーワン」の称号を与えてくれると知っているのだ。

スキークラスやランナバウトクラス、フリースタイルといった花形クラスはもちろん、ビンテージクラスやストッククラス、ジュニアクラスなども熱く、今年も過去最高に感動させられた戦いが繰り広げられた。



面白いジェットスキーのレースを、さらに面白くする方法

レース観戦を楽しむコツは「出場している選手を知る」ことである。今、非常に盛り上がっているラグビーのワールドカップも、テレビなどの報道によって、選手1人1人のことを我々が知っているのが大きい。選手たちのひたむきな素晴らしいプレーを見るだけでなく、その選手に対して感情移入できるからだ。

ジェットスキーのレースも同じ。選手を知れば知るほど見て楽しめる。それだけで、レースの世界がグンと身近になり、楽しくなる。

王者の貫禄。世界タイトルを獲得した、イギリスのリー・ストーン選手。

日本で、最もフリースタイル世界チャンピオンに近い男・山本汰司選手。今回、7針縫う大ケガをしながらも、見事な演技を見せて3位に輝く。


世界の大舞台は選手を化けさせる

ごくまれに、ほとんどノーマークの選手が、このワールドファイナルの場で大化けすることがある。選手たちは、はるばるレイクハバスまでやってくるのだから、当然、多くの時間と、安くない資金を投入している。大抵、大会の1週間くらい前には現地にやって来て、マシンの最終セッティングや練習を行う。

何しろ、この大会が行われるレイクハバスシティは、アリゾナの荒野が広がるのどかな田舎町だ。観光といっても、コロラド川かグランドキャニオンくらいしかない。それだけに、ジェットスキーだけに集中できるのだ。この期間に、何かのきっかけで選手が急成長する。それは、ベテランでも、ジュニアの選手でも同じだ。


いつだって「ダークホース」の存在が、レースを盛り上げる

大会前に、誰が勝つかのおおよその予想はできるが、急激に力を付けてくる選手も出てくる。だから、レース前に「誰が勝つか?」と聞かれたら、「ダークホースの選手次第」としか言えない。ダークホースの選手は、優勝候補の実力者たちの戦い方にも多大な影響を与えるからだ。今大会は、ニューカマーが多く現れた年となった。

世界的トップライダー、ダスティン・ファージング選手(写真右)と、その父親であり、マシンコンストラクターでもあるフィル氏(左)。2人の真剣な眼差しの先には……。

大人に交じって走る、息子・デヴン・ファージング選手の姿があった。

今大会、取材班が目を引いた選手たち
10代の若手がどんどん力を付けてくる世界

プロスキーGPクラス

大会のメインカテゴリーである「プロスキーGPクラス」の勝者は、若干17歳の若きライダーKole Cramer(コレ・クレイマー)選手だ。実は、私は彼のことをジュニアクラスのライダーとしてしか認識していなかった。しかし、世界のビックネームが多く出場しているなかでのこの快挙である。

新しいチャンピオン、17歳のKole Cramer(コレ・クレイマー)選手の走り。

タイトルを獲得したKole Cramer(コレ・クレイマー)選手。

フリースタイルクラス

「プロフリースタイルクラス」でも、前年(2018年)のジュニアフリースタイルクラスでチャンピオンを獲得している13歳のGabe Jukish(ゲイブ・ジュキッシュ)選手が、今年はプロクラスで4位に入賞している。彼は、ラスト15秒を知らせるホーンが鳴ってから、40連続コンボをやってのけたのだ。絶え間なく続く技の迫力と、少年らしい体の小ささに思わず目が釘付けになった。

Gabe Jukish(ゲイブ・ジュキッシュ)選手の40連続コンボは、ギャラリーの度肝を抜いた。

ゲイブ選手の愛艇はリボルバー製。世界チャンピオン、リー・ストーン選手(右上写真右側)と、ゲイブ選手(左)。

今回、ジュニアフリースタイルクラスチャンピオンとなったNolan Jukish(ノーラン・ジュキッシュ)選手、11歳。ゲイブ選手の実弟だ。後ろにいるのが、ゲイブ選手とノーラン選手の父親。

ジェットから降りれば、まだあどけない少年の顔。兄・ゲイブ選手(写真左)と弟・ノーラン選手(右)。

また、フリーライド界の伝説的チャンピオン・テイラー・カーティス氏の10歳になる息子Coy Curtis(コーイ・カーティス)選手も、ジュニアフリースタイルクラスに出場。バックフリップを軽々と決めて2位に入賞。それ以外でも彼は、10-12歳クラスのレースカテゴリーで3位、550で参戦したビンテージスキークラスでも4位と大活躍だった。将来が楽しみな少年である。

跳んで、走って、八面六臂の活躍を見せた、Coy Curtis(コーイ・カーティス)選手。

現在10歳のコーイ選手は、フリーライド界の伝説的チャンピオン・テイラー・カーティス氏(写真左)を父に持つ。

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