ブンフリースタイルとリー・ストーンプロダクツ　フリースタイル界のトップメーカーが業務提携を発表【3/4】

「勝者の席は1つ」。世界を獲りたいと考えるのは、BUN FREESTYLEのメンバーも同じ

WJS　リー選手から、他にも何かリクエストはあったのですか？
渡部　彼が一番懸念していたことは、例えば、ウチのチームの（山本）汰司に1番良いエンジンが行って、自分には来ないのではないか？　といったことでした。過去に、そんな卑怯なことをされた経験があるのかもしれませんね。「ウチでは、絶対にそんなことはしない。どの選手も、全て同じエンジンを提供している」と伝えました。そういうのって、最終的には分かることですからね。

WJS　選手によって、エンジンスペックが違うといったことはないのですか？
渡部　ウチには、汰司専用エンジンなんてものはありませんし、リー選手にデチューンしたものを渡すこともありません。ウチのエンジンを積んでいる人は、全員、同じ条件です。同じマシンで、各選手の好みに合うように仕上げています。

WJS　各自の好みというのは、具体的に何をしているのですか？
渡部　ベースは同じだけれど、キャブのセッティングが違う。インペラーのセッティングが違う。電気のセッティングが違うということはありますが、それも同じウチのパーツです。

WJS　渡部さんのチームにはチーム員も多く、マシンコンストラクターとして、非常に忙しいのではないですか？　世界を目指している選手も多いですし。
渡部　リー選手もですが、私は今、チーム員の山本汰司も、岡本輝正も、林久貴も、勝たさないといけない選手ばかりです。当然、プレッシャーを感じています。坂井田和明も、もう1度世界を狙っています。私のまわりには、「世界を獲りたいヤツ」でいっぱいです。

WJS　でも、勝つのは1人だけですよね。
渡部　そう。シートはひとつしかない。だからこそ、「アイツだけ優遇している」とは言われたくありません。いちチューナーとして、選手に寄り添い、同じように精一杯協力してあげたいと思っています。