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Pro Am Women Skiクラス 2019年 ワールドファイナル ジェットスキー(水上バイク)のメジャーレース

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14歳の新星が新しい女王に

世界的に見て、ウィメンクラスは日本人ライダーのレベルが非常に高い。バレーボールの「東洋の魔女」ではないが、尾澤聖子選手を皮切りに、金森絵海選手、倉橋優樹選手、久米由紀子選手と、多くの日本人ライダーが世界チャンピオンとなっている。しかし、時代は動く。新たな若い選手の台頭が、世界のレースシーンを変えていくのだ。

今大会も、「ルーシー・ギャツビー」という名の新星が生まれた。若さで攻め続け、オーディエンスを惹きつけた。新たな時代の幕開けを予感させる衝撃的な勝利であった。

ウィメンクラスを席巻したルーシー・ギャツビー選手

44番のカワサキ艇が衝撃的な攻めの走りを見せた。

まだあどけなさの残る14歳の少女。写真左上は父親とのツーショット。

ソックリな父と娘。




MOTO 1

インコースのホールショットは田中エミ選手、アウトコースのホールショットが久米由紀子選手と、日本人ライダーが飛び出した。合流では、アウトコースの久米選手がトップに立ち、田中選手が2位。このままの順でレースが終わると思った。久米選手も田中選手も、世界チャンピオンを経験している実力者だからだ。

しかし、その予想は外れた。「ルーシー・ギャツビー」という名前の、イギリス出身の14歳のライダーが、強烈な走りを見せたのだ。この日、選択コースでインコースを走る選手は少なく、ほとんどの選手がアウトコースに行く。これは、あきらかにアウトコースが有利だということだ。「ここ1番」「今、抜くぞ」というときだけ、息を止めてインコースを走るという感じなのだ。

そんななか、ギャツビー選手は1周目から果敢にインコースを攻め続けた。1周目を終えた段階で、久米選手が1位、田中選手が2位。ギャツビー選手は、何と10位を走っていた。そのギャツビー選手が、2周目の選択コースでインコースを走り、合流で4位までランクアップ。ホームストレートの観客席の目の前で、3位の選手に猛然と襲いかかる。そのときは抜くことはできなかったが、3周目に3位にまで上がってきた。

4周目の序盤、2位を走る田中選手を捉える。そして、同一コース上で抜き去った。2位に上がったギャツビー選手は、トップを走る久米選手を猛然と追いかける。このヒート、久米選手が逃げ切ったが、ゴール直前、久米選手の背後には、最後の勝負を懸けてきたギャツビー選手が迫っていた。

1周目に10位だったギャツビー選手が、最終周でトップの久米選手を捉えようするところまで上がって来ていたことに驚いた。この日、水面は荒れていた。マシンの速さによる優位性はなく、実力のある選手が勝つ。日本人の世界チャンピオン2人と肩を並べる14歳に度肝を抜かれた。

Team 久米由紀子。

MOTO 1は、完璧なホールトゥフィニッシュ。久米選手のライディングフォームは美しい。

3位は、レイクハバス在住のスティーブ・バスカム選手。

マシンのカラーリングがアメリカの国旗のようでステキ。

写真右上が元ウィメンクラス世界チャンピオン・倉橋優樹選手とパートナー。写真右下が6位になった地元レイクハバス在住のアリッサ・マッセマン選手。

写真右、7位になったフランスのダーダラット・ロウ選手。写真左はIJSBAのスタッフ。

MOTO 2

Moto 1と同じく、インコースのホールショットは田中選手、アウトコースは久米選手だった。Moto 1で卓越したライディングを見せたギャツビー選手は、久米選手と同じアウトコースからのスタート。合流で、久米選手がトップに立ち、2番手にギャツビー選手、田中選手は3番手でオープニングラップを終えた。

2周目、早くもギャツビー選手がトップの久米選手を捉えた。選択コースでアウトコースに行った久米選手、インコースを選んだギャツビー選手の争いは、合流でギャツビー選手に軍配が上がった。トップに立ったギャツビー選手は、周回を重ねるごとに2位の久米選手との差を広げ、余裕のトップフィニッシュ。前半から、いっさい手を緩めず全力で攻める彼女の走りに驚嘆した。

ルーシー・ギャツビー選手の攻めた走りは素晴らしかった。彼女はまだ14歳。このまま進化していったら、最速・最強のチャンピオンとして、ウィメンクラスに君臨するかもしれない。

MOTO 2の2周目の合流地点。後方からインコースのギャッツビー選手(写真右)が、アウトコースから来た久米選手(左)に襲い掛かる。

ギャッツビー選手が、久米選手とのバトルを制する。

MOTO 1、MOTO 2の両ヒートとも、抜群のスタートでホールショットを獲得する田中エミ選手(写真手前)。

インコースのホールショットを獲得し、トップを走る田中選手。

Team 田中エミ。

田中選手は、MOTO 1が4位、MOTO 2が3位で総合4位となった。

5位は、レイクハバス在住のアリアーナ・セイヤー選手。

Team 向井加寿子。

向井選手は総合11位となった。

すっかり仲良くなったルーシー・ギャツビー選手のパパ。無事に勝ってホッと一息。

Pro Am Women Skiクラス・リザルト

順位 ライダー名(国名)
1位 Lucy Gadsby(UK)
2位 久米由紀子(JAPAN)
3位 Stevie Bascom(USA)
4位 田中エミ(JAPAN)
5位 Aryana Thayer(USA)
11位 向井加寿子(JAPAN)

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※2019年ワールドファイナルライブ映像

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