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世界的に人気の高いSPORT GPクラス 2019年 ワールドファイナル ジェットスキー(水上バイク)のメジャーレース

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SPORT GPクラスの見どころ

「SPORT GPクラス」は、連載「20歳の夏」でお馴染みの片野丈一郎選手が出場する。マシンは、YAMAHA TZやSEA-DOO HXに乗る選手が多い。昨年のこの大会は、世界的トップライダー、アメリカのダスティン・ファージング選手が優勝した。しかし、ファージング選手は、今年、息子のデヴン選手を全面的にサポートするために、本人はエントリーしていない。

また今大会、このクラスのエントリー数は21台と非常に多かった。ライダーも、20歳の片野選手が一番若いかと思っていたら、10代の選手のエントリーも多数あり、華やかで盛り上がったものとなった。

SPORT GPクラスの第一人者、タイのスパック・セットゥーラ選手

セットゥーラ選手(写真左)と、マシンコンストラクターの中田正樹氏

高いライディングスキルで頂点に立つ

SPORT GPクラスの優勝候補筆頭は、タイのスパック・セットゥーラ選手だ。彼のマシンは、本誌連載中の中田正樹氏が製作している。セットゥーラ選手はこのクラスの第一人者で、タイではナショナルチャンピオンを何度も獲得している。経験も豊富で、ライディングスキルも高い。全く隙のないライダーなのだ。このセットゥーラ選手と片野選手が、どんなバトルを繰り広げるのかが注目ポイントである。

結果から言うと、MOTO 1、MOTO 2の両ヒートとも、セットゥーラ選手のホールトゥーフィニッシュ。常に先頭を走り続け、他のライダーの追随を許さない完璧な勝ち方であった。

セットゥーラ選手のマシン。

中田正樹氏が製作したフリーダム製ハルのKawasaki 1,500エンジン搭載のSEA-DOO HX。(右)。

MOTO 1、MOTO 2の両ヒートともに、ホールショットを獲得。トップでメインスタンドを通過するセットゥーラ選手。

セットゥーラ選手はこのクラスの第一人者で、タイではナショナルチャンピオンを何度も獲得している。経験も豊富で、ライディングスキルも高い。

走りは他の選手を完全に圧倒している。躍動感溢れる、アグレッシブなライディングフォーム。

ゴール後、軽く左手人差し指を上げて勝利のポーズ。前に出て勝つのは当然だが、後方からの追い上げでも勝てる実力がある。

3位 片野丈一郎選手の今大会の軌跡

日本人期待の若手のホープ。20歳の片野丈一郎選手。

MOTO 1

片野選手のスタートは抜群で、インコースのホールショットを獲得。合流では、アウトコースのホールショットを獲得したセットゥーラ選手が前に出て、片野選手はそれに続く。最後までその順位は変わらず、1位がセットゥーラ選手、2位片野選手の順でゴールした。

写真左側が、ホルダーの西川晃央氏。中央が、片野丈一郎氏。右側が、父親でチーム監督の片野宣之氏。

スターティンググリッドに並ぶ片野選手(写真1番手前)。

MOTO 1、MOTO 2の両ヒートともに片野選手のスタートは抜群だった。両ヒートともインコースのホールショットを獲得。

「猛練習した成果が出ていることが実感できる」と話す片野選手。

片野陣営。「今大会、完璧に勝つために13人態勢でジョーのサポートに臨みました。上下架が最も便利にできる位置にあるウェイティングエリアを、今回、2000ドルで確保しました」とは、父・宣之氏談。

写真右下:マシンコンストラクターの藤江功一氏。

MOTO 2

MOTO 1と同じく、インコースのホールショットを獲得した片野選手。MOTO 1との違いは、アウトコースのホールショットを獲得し、トップに立ったセットゥーラ選手だけでなく、アウトコースの2位を走っていた、昨年のキングスカップチャンピオン、クリスティン・ダリ選手にも前に行かれ、3番手になったこと。

ダリ選手を抜こうとアタックをかけるが、惜しいところで抜ききれない。結局、ダリ選手とのバトルに手こずり、レース後半で後ろから来た2台のマシンに抜かれてしまい、片野選手は5位でゴール。総合成績は3位となった。もしこのヒートで2位だったら、総合で2位になれたのに、片野選手本人もそれを非常に悔やんでいた。

昨年のキングスカップチャンピオン、クリスティン・ダリ選手。彼を抜いていれば、総合成績が2位だった……。

最後まであきらめずに、ダリ選手にチャージを仕掛けた片野選手。

納得はしていないが、十分な手応えを感じることができたワールドファイナルとなった。

1年間で急成長した片野選手。12月のキングスカップに期待が持たれる

昨年、タイで行われたキングスカップでは、片野選手はホールショットを取ってセットゥーラ選手の前を走ったが、最後まで抑えきれず、4周目で抜かれてしまった。しかし、今年は猛練習の甲斐もあって、ライディングスキルが非常に上がっている。セットゥーラ選手の前に出たら、抜かれない自信もあるという。

MOTO 2は、結果的にダリ選手を抜けなかったが、昨年のキングスカップでは、抜きに行けるような状況ですらなかった。離されずについていくのが精一杯という感じだったのが、今大会では後ろから追い抜こうとするところまで近づいている。「レース中に、自分のスキルが上っていることを確信できる」と片野選手は言う。今から、12月に行われるキングスカップが楽しみである。

SPORT GP Class ダイジェスト

写真左:MCのマイク・ヤング氏。写真右:IJSBAレースディレクター氏。

ケリー・スミス選手の走行。第1ヒートが11位、第2ヒートが6位で総合9位。

スミス選手のマシンは、1,500エンジン積んだ ポラリスSLR 通称ハリケーン。

ライディングスタイルも独特だ。

ビリー・ディアマン選手。地元の選手は、大きなトレーラーをウェイティングエリアとして使っている。

ディアマン選手の走行。

アメリカンなカラーリングのポラリスSLR 通称ハリケーン。。

現代のレースシーンで、すでに絶版となっているTZとHXのSLRのバトルが見られるとは……。

写真左上:6位のクリス・へニック選手のマシン。写真右上:2位のハーデン・スケレット選手のマシン。写真左下:11位のビリー・デーマン選手のマシン。写真右下:昨年のキングスカップチャンピオンで、今大会5位のダリ選手。

6位のクリス・へニック選手。

5位のダリ選手。

7位のトム・ケラー選手。

昨年のチャンピオンで、スーパースターのダスティン・ファージング選手。今年は、息子のサポートのため出場していない。

8位のデヴン・ファージング選手。

フロリダ在住のクリストファー・ランディス選手。彼も、トレーラーをウェイティングエリアとして使っている。

16位のランディス選手の走行。

2位のハーデン・スケレット選手のマシン(写真手前)。

10位のティム・ミラー選手(写真手前)。

原型に近いHX。14位のマット・ジョンソン選手。

貫禄たっぷりなHX。

Sport GPクラス・リザルト

順位 ライダー名(国名)
1位 Supak Settura(THAILAND)
2位 Haden Skellett(USA)
3位 片野丈一郎(JAPAN)
4位 Revin Harris(GILBERT)
5位 Christian Daly(USA)

「ジェットスキーワールドシリーズ2019」の2戦分のポイントランキングが発表されました

今年から、「ジェットスキーワールドシリーズ2019」と銘打って、7月のベルギー大会、10月のワールドファイナル、12月のキングスカップの3戦の合計ポイントで争う「トリプルクラウンズ」というレースが行われています。日本人の片野丈一郎選手が、現在、PRO SPORT GPクラスのポイントリーダーです。キングスカップで10位以内に入れば、タイトル獲得可能性が非常に高くなります。今年、片野陣営ではこのタイトル獲得を目標に掲げて戦いに挑んでいます。
※ポイントランキングはコチラをクリック

このレースを動画で見たい方はコチラをクリック↓↓
※2019年ワールドファイナルライブ映像

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